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債務超過の確認方法と解消方法

債務超過の確認方法と解消方法

債務超過を確認する意味

会社の経営に不安が生じている場合、帳簿上ではなく、実質的に「債務超過」になっているかどうか、なっている場合どの程度「債務超過」なのかを知ることは、経営判断の一つの指標となります。

つまり、事業が継続できるかどうかを判断する材料の一つになるということです。

実質的に債務超過になっているかどうかは、経営者自身でも確認することができます。

その方法については、このページの「債務超過を判断する方法」のところで説明しています。

そもそも債務超過とは?

「債務超過」というのは、会社の債務の総額が資産の総額より大きく、会社の財産をすべて使っても債務を完済できない状態をいいます。

会社の債務総額 > 会社の資産総額

この場合の債務には、例えば借入金の残元金のように、まだ支払期限が到来していないものも含まれます。

今ある資産で債務が完済できないのですから、極めて深刻な状態だと言えます。

赤字と債務超過の違い

「赤字」というのは、会社の1年間の収益から税金を含めた全費用を差し引くと、結果がマイナスになってしまう状態、つまり、収益以上に費用がかかり、最終利益が出ない状態をいいます。つまり、次のような状態です。

 1年間の全収益  -  1年間の全費用 <   0

一方、「債務超過」というのは、前記のとおり、会社の資産の合計額よりも債務の合計額の方が大きい状態をいいます。

債務 > 資産

赤字と債務超過の関係

その期の決算が赤字だからといって債務超過だとは限りませんし、また、債務超過に陥っている会社でも単年度では黒字ということもあります。

赤字と債務超過の関係は、赤字額が累積していくと(赤字の年が続いていくと)いずれ債務超過になるという関係にあります。

つまり、赤字が継続している会社は既に債務超過状態にあるか、早晩債務超過に陥る可能性が高いといえます。

債務超過を判断する方法

状況別の判断方法

ここでは、会社の財務状態に特に問題がない正常時、財務状況が悪化している経営悪化時に分けて、債務超過の判断方法をご説明します。

正常時の判断方法

決算書の貸借対照表の「資産の部」の合計額から「負債の部」の合計額を引いた金額がプラスなら債務超過ではなく(資産超過)、マイナスならそのマイナス額が債務超過額です。

債務超過ではない
 資産の部合計額  -  負債の部合計額  ≧  0


債務超過 
 資産の部合計額  -  負債の部合計額  <  0 

経営者が経営に不安を感じていない会社の正常時には、債務超過になっている可能性はまずないと思います。

もし、経営者が事業状況にそれ程不安を感じていないにもかかわらず、最近2、3年赤字が続いているようなら、ご自分で思っているよりも状況が切迫している可能性があります。
そのような会社は、次の経営悪化時の判断方法で会社の実態を調べてみましょう。

経営悪化時の判断方法

間もなく資金ショートするという状況にまでは至っていなくても、赤字決算が続いていたり、急激に売上が落ちているなど経営状況が思わしくない場合は、貸借対照表の数字を実態に合わせて修正し、「実態貸借対照表」を作成してみます。

自社の現況を把握するためにも、大雑把でいいので、貸借対照表の各項目の数字を現状に合わせて修正してみましょう。
具体的な作成方法は後記のとおりです。

業績不振の会社が実態に合わせて貸借対照表の金額を修正すると、債務超過となる場合が少なくないと思われます。

実態貸借対照表の作成方法

専門家に頼めばもっと正確なものを作成してもらえますが、費用がかかるため、取り敢えず、自分で決算書の貸借対照表(簿価)を修正して実態貸借対照表を作成してみましょう。
修正の方法は、以下のとおりです。

資産の部の修正

  • 現預金:  修正不要

  • 売掛金:  回収困難なものや長年回収できていないものをマイナスする。

  • 棚卸資産: 架空在庫や不良在庫はマイナスする。

  • 前払費用: 原則として0とする。

  • 貸付金:  売掛金と同様の修正をする。

  • 未収入金: 売掛金と同様の修正をする。

  • 仮払金:  原則として0とする。

  • 土 地:  購入時の金額から時価に修正する。
          時価は、近隣の売却事例等を参考に大体の金額を出してみることで
          構わない。固定資産税評価額や公示地価、路線価を使ってもよい。

  • 建 物:  減価償却を行っていない場合、減価償却実施後の金額に修正する。

  • 電話加入権、特許権、商標権、著作権、ソフトウェア等:

          特に価値がない限り(譲渡や使用契約等の可能性がない限り)0とする。

  • 投資有価証券: 上場株式等は現在の株価等に修正する。

          市場性のない株式や社債は、投資先のおおよその経済状況を推測して
          増減額する。投資先の業績不振が続いている場合は0とする。

  • 差入れ保証金・敷金: 修正不要

  • 繰延資産: 0とする。

負債の部の修正

  • 退職給付引当金: 積立不足額があれば負債に計上する。

  • 保証債務: 保証先がすでに倒産しているか破綻状態にあるときは、保証人と
          して支払わなければならないであろう金額を負債に計上する。

作成例

資産の部(単位:円)

科目

簿価①

修正額②評価額①+②備考

現預金

5,500,0000

5,500,000

帳簿価格のまま
売掛金

30,000,000

▲3,500,00026,500,000回収不能額を減額
棚卸資産65,000,000▲27,000,00038,000,000架空在庫・不良在庫を減額
前払費用4,500,000▲4,500,0000全額減額
建物10,000,000▲7,300,0002,700,000減価償却不足分を減額
土地56,000,000▲25,000,00031,000,000近隣相場で修正
商標権・ソフトウェア

1,500,000

▲1,500,0000資産価値がないので全額減額
投資有価証券2,000,0001,500,0003,500,000値上り額をプラス
差入保証金・敷金1,200,00001,200,000帳簿価格のまま
長期貸付金6,000,000▲4,000,0002,000,000回収不能額を減額
繰延資産2,000,000▲2,000,0000全額減額
     
資産の部合計183,700,000▲73,300,000110,400,000 

負債の部(単位:円)

科目簿価①修正額②評価額①+②備考

買掛金

15,000,000015,000,000 
短期借入金30,000,000030,000,000 

未払金

1,400,00001,400,000 

未払費用

7,300,00007,300,000 
長期借入金75,000,000075,000,000 
退職給付引当金1,000,0002,500,0003,500,000引当不足を加算
保証債務015,000,00015,000,000保証先が倒産
     

負債の部合計

129,700,00017,500,000147,200,000 

修正の結果(単位:円)

種別資産合計-負債合計結果
決算書の貸借対照表(簿価)183,700,000-129,700,00054,000,000資産超過
実態貸借対照表110,400,000-147,200,000▲36,800,000債務超過

資産や負債を現状に合った数字に修正した結果、この会社は「債務超過」になりました。

債務超過になったらどうなるか

すでに債務超過である場合、債務超過になるおそれがある場合は、次のようなことが起こります。
なお、債務超過またはそうなるおそれがある場合には、破産等の申立が可能になりますが、申立をしなければならないとか、当然破産等になってしまう、というわけではありません。

  • 債務超過の会社は、銀行から新規融資を受けることが難しくなる
  • 上場企業が債務超過に陥った場合、上場廃止になる可能性がある
  • 債務超過額が増えていけば経営が厳しくなる
  • 事業譲渡が難しくなるか、値段がつきにくくなる
  • 債務超過の会社は破産の申立を行うことができる
  • 債務超過になるおそれがある会社は民事再生や特定調停の申立を行うことができる

債務超過を解消する方法

債務超過を解消する方法としては、次のような方法が考えられます。

  • 利益を出せる体質への経営改善
  • 増資を行うこと
  • 債権者から債務免除を受けること
  • DES(債務の株式への転換)を行うこと

解消方法(1)利益を出せる体質への経営改善

利益を出せる会社になれば、すぐにではなくても何年かかけて債務超過を解消することができるかもしれません。

利益の積み重ねによる解消例

会社の現況

  ①資産 60,000,000円  
  ②債務 100,000,000円

  ①-② = 債務超過額 40,000,000円 



利益の継続

  1年目  5,000,000円 2年目 10,000,000円
  3年目 10,000,000円 4年目 10,000,000円  5年目 10,000,000円  
      5年間の利益合計 45,000,000円

5年後の結果

  ①資産 105,000,000円(60,000,000円+5年間の利益45,000,000円) 
  ②債務 100,000,000円

    ①-②= 資産超過額 5,000,000円 債務超過解消

解消方法(2)増資を行う

債務超過額以上の増資を行うことができれば、債務超過が解消できます。

増資による解消例

会社の現況

  ①資産60,000,000円  
  ②債務100,000,000円  
  ③資本金10,000,000円
  (利益剰余金▲50,000,000円)

  ①-②=債務超過額40,000,000円 

増資の実行

  出資者が見つかり、40,000,000円の出資を受けた。

増資の結果

  ①資産100,000,000円(60,000,000円+増資40,000,000円) 
  ②債務100,000,000円
  ③資本金50,000,000円(利益剰余金▲50,000,000円) 資本金は実質0

  ①-②=債務超過額  0  債務超過解消

解消方法(3)債権者から債務免除を受ける

民事再生手続、特定調停手続等再建型手続によって、債権者から債務超過額以上の債務免除を受けられれば債務超過は解消します。

債務免除による解消例 

会社の現況

  ①資産60,000,000円  
  ②債務100,000,000円  
  ③資本金10,000,000円
  (利益剰余金̠▲50,000,000円)

  ①-②=債務超過額40,000,000円 

民事再生手続による債務免除

  債権者集会で、債務の4割=40,000,000円をカット(債務免除)し
  残りの債務を10年かけて弁済するという再生計画案が可決された。

債務免除の結果

  ①資産60,000,000円  
  ②債務60,000,000円(100,000,000円-債務免除40,000,000円) 
  ③資本金10,000,000円(利益剰余金▲10,000,000円) 資本金は実質0

  ①-②=債務超過額  0  債務超過解消

解消方法(4)DES(債務の株式への転換)を行う

DES(デット エクイティ スワップ)というのは、債務を株式に転換することをいいます。

債務超過額に見合う金額の債務(例えば借入金等)を株式、つまり資本金に変更してもらい、債務を減少させることによって債務超過を解消する方法です。
もちろん、会社が一方的に実行できるものではなく、債権者の同意が必要になります。

DESによる解消例

会社の現況

  ①資産60,000,000円  
  ②債務100,000,000円  
  ③資本金10,000,000円
  (利益剰余金▲50,000,000円)

  ①-②=債務超過額40,000,000円 

DESの実施

  40,000,000円分の借入金を、その債権者の同意を得て同額の株式(出資金)に転換

DESの結果

  出資金は債務ではないため、以下のとおりとなる。

  ①資産60,000,000円  
  ②債務60,000,000円(100,000,000円-出資に転換40,000,000円) 
  ③資本金50,000,000円(10,000,000円+債権から転換40,000,000円) 
  (利益剰余金▲50,000,000円)  資本金は実質0

  ①-②=債務超過額  0  債務超過解消

債務超過の解消は難しい

上記の解消方法はいずれも極めてハードルが高く、一度債務超過に陥ってしまうとそれを解消するのは容易なことではありません。
潜在的に高い事業性を有している企業でない限り、債務超過を解消することは大変難しいと言えます。

債務超過が継続している企業は倒産に至ることが多い

自社が実質的に債務超過になっているかどうか知りたいが自分では判断できないという場合は、判断のお手伝いをしますのでご相談ください。

債務超過額が増え続けている企業が立て直しを行うことは大変難しく、最終的に多くの会社が倒産に至っています。

立て直しができず倒産に至った場合は、破産などの清算型倒産手続を行う必要があります。

しかし、一定規模以上の企業で、潜在的な事業性がある場合は、早めにご相談いただければ、ほかに取りうる選択肢があるかもしれません。

当事務所には倒産手続に堪能な弁護士が6名在籍し、ご相談・ご提案を行っています。

債務超過の判断のサポートが必要な方は、こちらからご相談ください

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弁護士・井上玲子

会社や事業の再建、債務整理、破産、倒産といった分野を専門とする弁護士です。

著書・執筆

井上玲子は、会社倒産や再建に関する書籍の執筆も行っております。

  • 倒産・再生再編六法(2008年版)/民事法研究会 編集協力
  • 新倒産法の実務/第一法規 執筆分担
  • 破産実務Q&A150問/金融財政事情研究会 執筆分担

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