20年の経験と実績。会社再建や破産・債務整理はお任せください。


〒107-0052 東京都港区赤坂3丁目4番3号 赤坂マカベビル2階

  

03-5797-7511

E-MAIL

inoue@oozoralaw.tokyo 

倒産専門弁護士による法律相談

 こちらからお申込み下さい

廃業と倒産の違いとは

「廃業」も「倒産」もよく聞く言葉だと思いますが、どう違うのか、どういう関係なのか、今一つわからない方もいらっしゃると思います。

そこで、ここでは、廃業と倒産の違いやこの二つの関係、単なる廃業では終わらず倒産になる場合などについてご説明するとともに、廃業手続や倒産手続の具体的な進め方についてもご紹介します。

また、このページを読めば、廃業や倒産とともによく耳にする「清算」や「破産」「民事再生」も、これらとどういう関係にあるのかおわかりになると思います。

廃業と倒産の違い

「廃業」は単に事業をやめることであり、「倒産」というのは債務の支払いができなくなって廃業せざるを得なくなることです。

「廃業」した後、会社が債務を全部支払える場合は普通の清算手続(通常清算手続)で会社を閉められますが、支払えない場合は倒産手続を取ることが必要になります。

廃業とは

「廃業」というのは、企業が事業をやめることを言います。

経営者の判断で自主的に事業をやめる自主廃業の意味で使われることが多いと思います。

単に事業をやめただけでは会社の資産や債務が残ってしまうため、廃業したら株主総会で会社を解散して清算手続を行う必要があります。

廃業して会社を清算する手続

廃業して会社を清算するのための主要な手続や処理は以下のとおりです。

  • 会社の解散と解散・清算人登記
  • 従業員の解雇
  • 官報公告、債権者への通知 
  • 売掛金等の債権の回収と在庫等の資産の売却
  • 税金等を含むすべての債務の支払い  債務を支払い切れない場合は倒産手続へ
  • 残った財産の株主への分配
  • 株主総会による決算報告の承認
  • 確定申告(解散時と清算結了時)
  • 清算結了登記
廃業手続の具体的なイメージ

廃業がどのように行われるのかイメージしやすいように、架空の会社によるストーリーで具体的な進め方をご説明します。

  • A株式会社のB社長は、高齢のうえ病気がちなため、後継者に経営をバトンタッチしたいと思っていましたが、後継者が見つからず、また、最近会社の業績も急激に悪化してきているため、熟考の末に会社を閉めることを決断しました。
  • そこで、B社長は会社の清算手続に詳しい弁護士に相談し、清算手続の代理人になってもらうことにしました。
    B社長は代理人弁護士のアドバイスを受けて、次のように手続を進め、このうち代理人弁護士が代行できる手続は弁護士に代行してもらいました。
  • まず、従業員に会社の財務状況等を詳しく説明した上で、事業譲渡を含めいろいろ事業を継続する方法を検討したが他に方法が見つからないため廃業を決意したと伝えました。そして、大変心苦しいが廃業予定日に退職してほしいとお願いしました。
    幸い、B社長と従業員との信頼関係は厚く、退職金の支払いもできることから、従業員の理解を得ることができました。
  • また、A社は、事前に、得意先に廃業予定であることを連絡しておきました。
  • 廃業日に、従業員を解雇し、残務処理を手伝ってもらう必要がある従業員だけ処理が済むまで給料を払って残ってもらうことにしました。
  • A社は株主総会を開いて会社を解散する決議をし、B社長が解散後の処理を行う清算人になりました。
  • 清算人に就任したB社長は、代理人弁護士の助力を得て、売掛金の回収や資産の売却を行い、また、官報公告や税務署等の行政機関への届け出を行いました。
    そして、換価回収した会社資産で債権者に債務を支払い、残金を株主に分配しました。
  • すべての処理が終わったので、清算人であるB社長は株主総会を招集して、決算報告の承認を受け、法務局で清算結了登記を行いました。

倒産とは

「倒産」とは、企業の資金繰りが悪化して債務が支払えなくなり、廃業せざるを得ない状況になることです。

裁判所に破産の申立をしたとか、民事再生の申立をしたというニュースを聞くことがあると思いますが、このように破産や民事再生などの倒産手続で債務を整理しなければならない状態になるのが「倒産」です。

つまり、「倒産」の場合は、会社債務を完済できないので、前記のような普通の清算手続では債務を処理することができず、再建可能性のある会社は民事再生などの再建型の倒産手続を、再建可能性がない場合は破産手続などの清算型の倒産手続を、それぞれ取って、その手続で債権者に平等に配当を行うことになります。
数は少ないですが、特別清算や会社更生なども倒産手続の一つです。

倒産と廃業の違い

繰り返しになりますが、「廃業」は単に事業をやめること、「倒産」は債務を支払えなくなって事業をやめざるを得なくなることです。

廃業したら、会社は清算手続に入り、資産の売却や回収を行って現金化し、その資金で、従業員の退職金や税金・社会保険料を含め、残っている債務をすべて支払って、会社を消滅させます。
数としては少ないと思いますが、債務を完済できる(全部支払える)と思って廃業したところ、案に相違して、資金が足りないことがわかったという場合は、「倒産」に移行します。

「倒産」の場合は、債務を完済できない状態であるため、上記のような普通の清算手続(通常清算手続)では処理できず、「倒産手続」を行って債権者に平等に配当を行う必要があります。

倒産手続を取らざるを得ない状況とは

これまでご説明してきたとおり、普通の清算手続(通常清算手続)で会社を閉められるのは、債務を全部支払える場合だけです。

廃業する前、あるいは廃業後に、債務を完済できないことがわかった場合は、「倒産」ということになり、破産手続などの倒産手続を取らないと会社を完全に清算することはできません。
つまり、会社資産で税金や社会保険料等を含むすべての債権を支払うことができない場合は、通常清算手続ではなく「倒産手続」で会社を清算することになります。

そこで、次の項では、債務を完済できるかどうかのチェック方法をご説明します。

債務を完済できるかどうかのチェック方法
  1. 会社の資産を実際に売却・回収できる金額(評価額)に修正する
  2. 賃借物件の敷金・保証金については、契約書で解約予告期間など解約条件を確認するとともに明渡費用がどのくらいかかるかを予測し、戻ってくるであろう金額に変更する
  3. 次に、会社を閉める場合に現実化する債務をカウントする
    借入金、仕入債務などの通常の債務のほかに、退職金規程がある場合は退職金をカウントし、清算終了までの税金・社会保険料も予測する
  4. 廃業によって何らかの違約金が発生しそうな場合はその金額も計上する
  5. 賃借している施設の明渡費用が敷金・保証金では不足しそうな場合は予想不足額を計上する
    なお、直ちに廃業する予定の場合は、敷金・保証金から解約予告期間分の賃料を差し引き、残りの敷金で明渡が可能かを検討する
  6. 残リース料等も計上する。その他思いつく限りの債務を全部カウントする
  7. 資産評価額と債務の合計額を比較する 
     資産評価額 ≧ 債務合計額
  8. 上記の状況なら債務が完済でき、破産(倒産)せずに普通の清算手続で会社を閉めることができる。​

    ​ただし、清算手続には実費もかかるため、会社の規模にもよるが、清算費用として100万円~500万円くらい(専門家への依頼費用を含む)のゆとりがあった方がいい。
    また、再出発の資金や老後資金の確保を考えるなら、さらに余裕のあるうちに廃業を検討することが望ましい。
倒産手続の概要

倒産手続には、民事再生などの再建型手続、つまり、債権者に債務の一部をカットしてもらって事業を再建するタイプのものと、破産手続など、再建可能性がないため会社を解体して完全に清算するタイプのものがあります。

私のところに相談に来られる会社の大半は、後者の清算型手続しか取れない状況の会社です。そこで、ここでは清算型倒産手続である破産手続の概要をご説明いたします。

会社の破産手続の概要は以下のとおりです。

  • 会社が弁護士に相談し、会社の破産申立を依頼
    経営者が借入等の連帯保証人になっている場合は経営者の破産申立も同時に依頼
  • 会社が事業をやめ、従業員を解雇
  • 代理人弁護士が債権者に、破産申立の予定である旨の通知を発送
  • 必要な提出書類を用意の上、代理人弁護士が管轄の裁判所に破産申立
  • 裁判所が破産手続開始決定を発令し、同時に破産管財人を選任
  • 裁判所での債権者集会
  • 破産管財人が会社の資産を売却・回収し、債権者からの債権届出内容を調査した上、債権者への配当を実施
  • 裁判所が破産手続終結決定
  • 裁判所が破産手続終結の登記
倒産手続の具体的なイメージ

破産手続がどのように行われるのかイメージしやすいように、架空の会社によるストーリーで具体的な進め方をご説明します。

  • C株式会社は来月末の支払いがむずかしくなったため、D社長は倒産に詳しい弁護士をさがして相談に行きました。
    会社の状況を詳細に聴取した弁護士の意見は、事業の継続は難しく破産手続を取るしかないというものだったので、社長はその場で弁護士に破産手続を依頼しました。
    社長自身も金融機関からの借入金を連帯保証していたので、個人の破産申立も依頼することにしました。
  • この相談のときに、弁護士から会社を閉める際の注意点についていろいろアドバイスを受けました。
  • 会社を閉める日に、D社長は従業員に対し、事前に弁護士からアドバイスを受けていたとおりに説明を行い、全員を解雇しました。
  • 会社を閉めたあと、代理人弁護士が、C社とD社長の債権者に対し、破産申立の予定であることを知らせる通知を送り、その後は弁護士の方で債権者の対応にあたりました。
  • 破産申立に必要な書類をD社長と弁護士が分担して準備し、書類が揃ったので代理人弁護士が管轄裁判所に破産の申立を行いました。
  • 裁判所は破産手続開始決定を行うとともに破産管財人を選任しました。
  • 破産管財人は、会社資産の売却・回収、債権者が提出した債権届出書の内容の確認を行い、集まった資金で債権者への配当を行いました。
  • その間に裁判所で債権者集会が開かれ、社長は代理人弁護士とともに出席しました。
  • すべての処理が終わったので、裁判所は破産手続の終結決定を行うとともに、手続終結の登記を行いました。

廃業するメリット・デメリット

ここでは、廃業のメリットとデメリットをご説明します。

何のために廃業するのか、廃業で何を得たいのかを考えるうえでも参考になるのではないかと思います。
廃業のマイナス部分を認識することによって、その対応策や緩和策を考えておくこともできるでしょう。

廃業するメリット

  1. メリット(1) 資金繰り、経営上の苦労からの解放
  2. メリット(2) 債権者に迷惑をかけなくてすむこと
  3. メリット(3) 早めの決断で、再出発資金・老後資金を残せる可能性もあること

メリット(1)資金繰り、経営上の苦労からの解放

今このページをご覧になっている方の多くは、長年、経営で苦労をされ、金融機関との交渉や資金繰りで神経をすり減らしておられるのではないでしょうか。

廃業する一番のメリットは、こうした経営上の苦労から解放されることだと思います。

経済的には元のようにはいかなくても、精神的な負担から解放されて第二の人生を送ることができるのは大きいと思います。

メリット(2)債権者に迷惑をかけなくてすむこと

業績が悪化していても、まだゆとりのあるときに廃業すれば、従業員に退職金も支払えますし、ほかの債権者にも、全く或いはあまり迷惑をかけなくてすむかもしれません。

廃業のタイミングを誤って関係者に大きな損害を与えてしまった結果、その後の人生を負い目を抱えて生きていかなければならないのは辛いことだと思います。

自社の行く末を冷静に考えれば将来性を期待できないと思われる場合は、早期に撤退して債権者の損失を最小限にすることも選択肢として考えられるかもしれません。

メリット(3)早めの決断で、再出発資金・老後資金を残せる可能性もあること

元々はかなり収益を上げていた企業が最近業績を悪化させている場合、まだ会社の資産がそれなりに残っている段階で廃業すれば、債務を完済し、残金で役員の退職慰労金や株主への分配金を支払える可能性があります。

なお、事業の状況によっては、事業の引き受け手が現れ、事業譲渡後に廃業するということも考えられます。事業譲渡代金が入ってくれば、これも支払資金に充てられます。

もし退職慰労金や残余財産分配金が取得できれば、新たに事業を始める場合の資金や生活のための資金に充てることができます。

廃業するデメリット

  1. デメリット(1) 収入源を失うこと
  2. デメリット(2) 従業員が失職すること
  3. デメリット(3) 得意先に迷惑をかけるかもしれないこと

デメリット(1)収入源を失うこと

当然のことですが、事業をやめれば役員報酬などの収入がなくなります。

事前に、再就職の検討、年金やアルバイト収入による生活設計などを行っておく必要があります。

また、ある程度内部留保がある企業は、事業の将来性に希望が持てなくなったら、まだ余裕のあるうちに会社を閉めて債務をすべて支払い、残った資産から退職慰労金や株主としての残余財産分配金を受け取ることを検討してもいいかもしれません。

デメリット(2)従業員が失職すること

廃業するときには当然従業員全員にやめてもらわなければならないため、従業員の退職後の生活が問題になります。

もし、従業員に退職金を払うことができれば、失業保険と合わせて生活の保障になり、廃業せざるを得ないことを理解してもらいやすくなるかもしれません。

従業員解雇の流れや従業員対応について詳しく知りたい方はこちら

デメリット(3)得意先に迷惑をかけるかもしれないこと

早めに得意先に廃業を伝えておかないと、代わりの仕入先や発注先をすぐには見つけられず得意先に迷惑をかけることになるかもしれません。

そもそも代替事業者がない場合は、別の事業者との取引に切り替えることもできず、間違いなく得意先に何らかの損害を与えることになってしまいます。

廃業すべきか迷ったらまずは
専門家にご相談を!

昨今の経済情勢や高齢化の進行などから、廃業すべきかどうか迷っている方も少なくないと思います。また、廃業しなければならない状態なのかご自分では判断できなくて、悩んでいる方もいらっしゃるのではないかと思います。

そういう方は、まず専門家にご相談ください。

専門家に相談すれば、客観的な会社の状況を知ることができ、また、会社が取りうる選択肢や廃業すべき時期の目安などのアドバイスを受けることもできます。

さらに、事業をやめる場合、単に廃業すればいいのか、破産などの倒産手続を取る必要があるのかなど、会社を閉めた後の処理についても確認することができます。

そして、ご相談の際に、そのまま廃業あるいは倒産の手続をご依頼になることも可能です。

私は長年、企業の債務整理のお手伝いをしており、会社の廃業や倒産手続について的確なアドバイスとお手伝いをさせていただきます。

関連するページもご覧ください

会社が破産すると経営者や家族に、どのような影響があり、どのような制約が生じるのかを解説しています。

 

帳簿上の数字ではなく、実質的に債務超過なのかどうかを判断する具体的な方法とその解消方法を解説しています。

裁判所の監督のもとで行われる破産手続について、手続の流れを含め詳しく説明しています。

電話でもご相談の予約ができます

お電話での申込みはこちら

03-5797-7511

受付時間:9:30~17:30(土日祝を除く)

オンライン相談について

時節柄、面談による相談に不安を感じる方もいらっしゃるかと思います。
そこで、新型コロナ収束までの対応として、有料法律相談をオンラインでも行っており、直接お会いすることなくZoom等でご相談いただくこともできます。
ご希望の方は、法律相談お申込みの際お伝えください。

03-5797-7511

ご相談の予約は電話・フォームにて受付けております。

弁護士・井上玲子

会社や事業の再建、債務整理、破産、倒産といった分野を専門とする弁護士です。

著書・執筆

井上玲子は、会社倒産や再建に関する書籍の執筆も行っております。

  • 倒産・再生再編六法(2008年版)/民事法研究会 編集協力
  • 新倒産法の実務/第一法規 執筆分担
  • 破産実務Q&A150問/金融財政事情研究会 執筆分担

03-5797-7511

倒産でお困りなら、まず法律相談(有料)をお受けください。
会社の状況をお聞きして、最適な方法をご提案いたします。