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廃業と倒産の違いと廃業のメリット・デメリット

廃業と倒産の違いと廃業のメリット・デメリット

廃業すべきか検討している方の中には、

  • 廃業と倒産とは何が違うのか
  • 自分の会社は廃業すべきなのか

と、そもそも廃業すべきなのかどうかわからない方や廃業と倒産の違いがわからない方もいらっしゃると思います。

簡単にいいますと、「廃業」は単に事業をやめること、「倒産」は債務を支払えなくなって事業をやめざるを得なくなることです。

廃業した方がいいのか、倒産せざるを得ないのかどうかは、当然ですが会社の状況によって異なります。
そのため、まずはこのページを読んで、廃業と倒産の違い、廃業手続きの流れや必要な費用、廃業のメリットとデメリットをしっかり理解しておきましょう。

廃業とは

「廃業」というのは、企業が事業をやめることです。
一般的には、経営者の判断で自主的に事業をやめる自主廃業の意味で使われることが多いと思います。
単に事業をやめただけでは会社の資産や債務が残ってしまうため、廃業したら株主総会で会社を解散して清算手続きを行う必要があります。

廃業後に会社を清算する手続き(通常清算手続き)の流れ

廃業後に会社の資産や債務を清算する場合の手続きの流れは、以下のとおりです。
債務の支払いができない場合は、倒産手続きを行う必要があります。

  1. 会社の解散と解散登記・清算人登記
  2. 従業員の解雇
  3. 官報公告、債権者への通知
  4. 売掛金等の債権の回収と在庫等の資産の売却
  5. 税金等を含むすべての債務の支払い
  6. 残った財産の株主への分配
  7. 株主総会による決算報告の承認
  8. 確定申告(解散時と清算結了時等)
  9. 清算結了登記
具体例な廃業手続きの進め方

廃業がどのように行われるのかイメージしやすいように、架空の会社によるストーリーで具体的な進め方をご説明します。

STEP1)会社を閉めることを決断

A株式会社のB社長は、高齢のうえ病気がちなため、後継者に経営をバトンタッチしたいと思っていましたが、後継者が見つからず、また、最近会社の業績も急激に悪化してきているため、熟考の末に会社を閉めることを決断しました。

STEP2)弁護士に相談

B社長は会社の清算手続きに詳しい弁護士に相談し、清算手続きの代理人になってもらうことにしました。
B社長は代理人弁護士のアドバイスを受けて手続きを進め、このうち代理人弁護士が代行できる手続きは弁護士に代行してもらいました。

STEP3)従業員に廃業と解雇を伝える

従業員に会社の財務状況等を詳しく説明した上で、事業譲渡を含めいろいろ事業を継続する方法を検討したが他に方法が見つからないため廃業を決意したと伝えました。そして、大変心苦しいが廃業予定日に退職してほしいとお願いしました。
幸い、B社長と従業員との信頼関係は厚く、退職金の支払いもできることから、従業員の理解を得ることができました。
廃業日に、従業員を解雇し、残務処理を手伝ってもらう必要がある従業員だけ処理が済むまで日当を払って残ってもらうことにしました。

STEP4)取引先に廃業することを伝える

A社は、事前に得意先に廃業予定であることを連絡しておきました。

STEP5)株主総会で会社の解散決議を行う

A社は株主総会を開いて会社の解散決議をし、B社長が解散後の処理を行う清算人になりました。

STEP6)資産の換価回収と官報公告・各種届出を行う

清算人に就任したB社長は、代理人弁護士の助力を得て、売掛金の回収や資産の売却を行い、また、官報公告や税務署等の行政機関への届け出を行いました。

STEP7)債務の支払いと残金の株主への分配

換価回収した会社資産で債権者に債務を支払い、残金を株主に分配しました。

STEP8)清算結了登記を行う

すべての処理が終わったので、清算人であるB社長は株主総会を招集して、決算報告の承認を受け、法務局で清算結了登記を行いました。

廃業に必要な費用

会社が廃業するためには、通常、以下のような費用がかかります。

登記費用
解散及び清算人選任登記 39,000円(登録免許税)
清算決了登記2,000円(登録免許税)

会社を解散して清算人を選任したら、その登記を行うことが必要になります。
また、清算手続が終了したら、清算決了登記を行います。
それらの登記を行う際、法務局に納める費用を登録免許税といいます。

官報公告費
官報公告費4万円前後

解散した会社には、債権者に解散を知らせ、一定期間内に債権申出(届出)を行うように
求める官報公告(解散公告)を行う義務があります。
官報というのは国の新聞のようなもので、そこにこの公告を載せます。

専門家の手数料・報酬
司法書士に登記を依頼する場合 5万円~10万円程度
税理士に確定申告を依頼する場合 15万円~30万円程度
弁護士に廃業・清算の全手続を依頼する場合 数十万円~100万円程度
(登記・税務申告手続を除く)​
その他費用
登記事項証明書の取得費用など数千円程度

上記は倒産手続きを取ることなく通常清算手続きで廃業できる場合の費用です。
破産等の倒産手続きが必要な場合の費用はこれと異なります。                                           

廃業と倒産の違い

「廃業」は単に事業をやめること、「倒産」は債務を支払えなくなって事業をやめざるを得なくなることです。

債務を全部支払えそうな場合は、前記のとおり、廃業したら通常清算手続きに入り、資産の売却や回収を行って現金化し、その資金で、従業員の給料や税金・社会保険料を含むすべての債務を支払って、会社を消滅させます。

数としては少ないと思いますが、債務を完済できると思って廃業したところ、案に相違して資金が足りないことがわかったという場合は、単なる「廃業」ではなく「倒産」ということになります。

また、最初から債務を全部は支払えないとわかっている場合は、廃業したら会社はただちに倒産手続き(破産手続き)の準備に入ります。

破産手続きでは、破産管財人が会社の資産を現金化し、それによって配当できるだけの資金ができれば、破産管財人が債権者に配当を行います。

倒産手続きを取らざるを得ない状況とは

これまでご説明してきたとおり、普通の清算手続き(通常清算手続き)で会社を閉められるのは、債務を全部支払える場合だけです。

廃業する前、あるいは廃業後に、債務を完済できないことがわかった場合は、「倒産」ということになり、破産手続きなどの倒産手続きを取らないと会社を完全に清算することはできません。

つまり、会社資産で税金や社会保険料などを含むすべての債務を支払うことができない場合は、通常清算手続きではなく「倒産手続き」で会社を清算することになります。

そこで、次の項では、債務を完済できるかどうかのチェック方法をご説明します。

債務を完済できるかどうかのチェック方法
  1. 会社の資産を実際に売却・回収できるであろう金額(評価額)に修正する
  2. 賃借物件の敷金・保証金については、契約書で解約予告期間など解約条件を確認するとともに明渡費用(内部の物の廃棄費用や原状回復費用)がどのくらいかかるかを予測し、戻ってくるであろう金額に変更する。もし予告期間の賃料や費用の方が上回りそうなら敷金ゃ保証金を超える金額を債務としてカウントする。
  3. 会社を閉める場合に現実化する債務をカウントする。
    借入金、仕入債務などの通常の債務のほかに、退職金規程がある場合は退職金をカウントし、清算終了までの税金・社会保険料も予測する。
  4. 廃業によって何らかの違約金が発生しそうな場合はその金額も債務として計上する。
  5. 残リース料等も計上する。その他考えられる債務をすべて計上する。
  6. 資産評価額と債務の合計額を比較する。
    資産評価額 ≧ 債務合計額
    上記の状況なら債務が完済でき、破産(倒産)せずに普通の清算手続きで会社を閉めることができる。​

ただし、前記のとおり、清算手続き(廃業手続き)には実費もかかるため、会社の規模にもよりますが、清算費用として100万円~500万円くらい(専門家への依頼費用を含む)のゆとりがあった方がいいでしょう。

また、再出発の資金や老後資金の確保を考えるなら、さらに余裕のあるうちに廃業を検討することが望ましいと言えます。

倒産手続きとは

倒産手続きには、民事再生などの再建型手続き、つまり、債権者に債務の一部をカットしてもらって事業を再建するタイプのものと、破産手続きなど、再建可能性がないため会社を解体して完全に清算するタイプのものがあります。

私のところに相談に来られる会社の大半は、後者の清算型手続きしか取れない状況の会社です。そこで、ここでは清算型倒産手続きである破産手続きの概要をご説明いたします。

会社の破産手続きの流れは以下のとおりです

倒産手続きの流れ
  1. 会社が弁護士に相談し、会社の破産申立を依頼
  2. 経営者が借入等の連帯保証人になっている場合は経営者の破産申立も同時に依頼
  3. 会社が事業をやめ、従業員を解雇
  4. 代理人弁護士が、債権者に破産申立の予定である旨の通知を発送
  5. 必要な提出書類を用意の上、代理人弁護士が管轄の裁判所に破産申立
  6. 裁判所が破産手続開始決定を出し、同時に破産管財人を選任
  7. 債権者が裁判所に債権届出書を提出
  8. 破産管財人が会社の資産を換価・回収
    並行して、債権者からの債権届の内容を調査
  9. 裁判所が債権者集会を開催
  10. 破産管財人が債権者に配当(配当できるだけの資金が集まらない場合は配当はない)
  11. 裁判所による破産手続終結決定とその登記
    配当できない場合は破産手続廃止決定とその登記
具体的な倒産手続きの進め方

破産手続がどのように行われるのかイメージしやすいように、架空の会社によるストーリーで具体的な進め方をご説明します。

  • 翌月末の支払いがむずかしくなったため、C社のD社長は倒産手続きに詳しい弁護士をさがして相談に行きました。
    会社の状況を詳細に聴取した弁護士の意見は、事業の継続は難しく破産手続きを取るしかないというものだったので、社長はその場で弁護士に破産手続きを依頼しました。
    社長自身も金融機関からの借入金を連帯保証していたので、個人の破産申立も依頼することにしました。
  • この相談のときに、D社長は弁護士から会社を閉める際の注意点についていろいろアドバイスを受けました。
  • 会社を閉める日に、D社長は従業員に対し、事前に弁護士からアドバイスを受けていたとおりに説明を行い、全員を解雇しました。
  • 会社を閉めたあと、代理人弁護士が、C社とD社長の債権者に対し、破産申立の予定であることを知らせる通知を送り、その後は弁護士の方で債権者の対応にあたってくれました。
  • 破産申立に必要な書類をD社長と弁護士が分担して準備し、書類が揃ったので代理人弁護士が管轄裁判所に破産の申立を行いました。
  • 裁判所は破産手続開始決定を行うとともに破産管財人を選任しました。
  • 破産管財人は、会社資産の売却・回収、債権者が提出した債権届出書の内容の確認を行い、集まった資金で債権者への配当を行いました。
  • その間に裁判所で債権者集会が開かれ、社長は代理人弁護士とともに出席しました。
  • すべての処理が終わったので、裁判所は破産手続きの終結決定を行うとともに、手続終結の登記を行いました。

廃業するメリット・デメリット

ここでは、廃業のメリットとデメリットをご説明します。
何のために廃業するのか、廃業で何を得たいのかを考えるうえでも参考になるのではないかと思います。

廃業のマイナス部分を認識することによって、その対応策や緩和策を考えておくこともできるでしょう。

廃業するメリット

  1. 資金繰り、経営上の苦労からの解放
  2. 債権者に迷惑をかけなくてすむこと
  3. 早めの決断で、再出発資金・老後資金を残せる可能性もあること

資金繰り、経営上の苦労からの解放

今このページをご覧になっている方の多くは、長年、経営で苦労をされ、金融機関との交渉や資金繰りで神経をすり減らしておられるのではないでしょうか。

廃業する一番のメリットは、こうした経営上の苦労から解放されることだと思います。

経済的には元のようにはいかなくても、精神的な負担から解放されて第二の人生を送ることができるのは大きいと思います。

債権者に迷惑をかけなくてすむこと

業績が悪化していても、まだゆとりのあるときに廃業すれば、従業員に退職金も支払えますし、ほかの債権者にも、全く或いはあまり迷惑をかけなくてすむかもしれません。

廃業のタイミングを誤って関係者に大きな損害を与えてしまった結果、その後の人生を負い目を抱えて生きていかなければならないのは辛いことだと思います。

自社の行く末を冷静に考えれば将来性を期待できないと思われる場合は、早期に撤退して債権者の損失を最小限にすることも選択肢として考えられるかもしれません。

早めの決断で、再出発資金・老後資金を残せる可能性もあること

元々はかなり収益を上げていた企業が最近業績を悪化させている場合、まだ会社の資産がそれなりに残っている段階で廃業すれば、債務を完済し、残金で役員の退職慰労金や株主への分配金を支払える可能性もあります。

なお、事業の状況によっては、事業の引き受け手が現れ、事業譲渡後に抜け殻になった会社を閉める(廃業する)ということも考えられます。事業譲渡代金が入ってくれば、これも支払資金に充てられます。

もし退職慰労金や残余財産分配金が取得できれば、新たに事業を始める場合の資金や生活のための資金に充てることもできます。

廃業するデメリット

  1. 収入源を失うこと
  2. 従業員が失職すること
  3. 得意先に迷惑をかけるかもしれないこと

収入源を失うこと

当然のことですが、事業をやめれば役員報酬などの収入がなくなります。

事前に、再就職の検討、年金やアルバイト収入による生活設計などを行っておく必要があります。

また、ある程度内部留保がある企業は、事業の将来性に希望が持てなくなったら、まだ余裕のあるうちに会社を閉めて債務をすべて支払い、残った資産から退職慰労金や株主としての残余財産分配金を受け取ることを検討してもいいかもしれません。

従業員が失職すること

廃業するときには当然従業員全員にやめてもらわなければならないため、従業員の退職後の生活が問題になります。

もし、従業員に退職金を払うことができれば、失業保険と合わせて生活の保障になり、廃業せざるを得ないことを理解してもらいやすくなるかもしれません。

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得意先に迷惑をかけるかもしれないこと

当然のことですが、廃業すればそれまで得意先に提供していたサービスや製品・商品を提供できなくなるので、代わりの仕入先や発注先をすぐ見つけられない場合は得意先に迷惑をかけることになります。

そもそも代替事業者がない場合は、別の事業者との取引に切り替えることもできず、間違いなく得意先に何らかの損害を与えることになります。

廃業すべきか迷ったらまずは
専門家にご相談を!

昨今の経済情勢や高齢化の進行などから、廃業すべきかどうか迷っている方も少なくないと思います。また、廃業しなければならない状態なのかご自分では判断できなくて、悩んでいる方もいらっしゃるのではないかと思います。

そういう方は、まず専門家にご相談ください。

専門家に相談すれば、客観的な会社の状況を知ることができ、また、会社が取りうる選択肢や廃業すべき時期の目安などのアドバイスを受けることもできます。

さらに、事業をやめる場合、単に廃業すればいいのか、破産などの倒産手続を取る必要があるのかなど、会社を閉めた後の処理についても確認することができます。

そして、ご相談の際に、そのまま廃業あるいは倒産の手続をご依頼になることも可能です。

私は長年、企業の債務整理のお手伝いをしており、会社の廃業や倒産手続について的確なアドバイスとお手伝いをさせていただきます。

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弁護士・井上玲子

会社や事業の再建、債務整理、破産、倒産といった分野を専門とする弁護士です。

著書・執筆

井上玲子は、会社倒産や再建に関する書籍の執筆も行っております。

  • 倒産・再生再編六法(2008年版)/民事法研究会 編集協力
  • 新倒産法の実務/第一法規 執筆分担
  • 破産実務Q&A150問/金融財政事情研究会 執筆分担

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